[バナナとトマトとリンゴのジャム] (2014/09/28)

前回作ったバナナとトマトのジャムがかなり残念な出来になってしまったのと
バナナがまだ手元に残っていたのでトマトとリンゴを買い足して再チャレンジ
することにしました。リンゴが加わっているのはなぜかというとバナナの香りは
加熱すると飛んでしまうのですが新鮮なバナナの香りは何となくリンゴの香りに
似ている気がするのでこれで補えないかと考えたからです。またそれぞれの
素材を下処理した時点で「これはダメだ」となったときリンゴをベースにして他の
素材を加減して加えたリンゴベースのフルーツジャムにしてしまおうと考えた
からでもあります。


バナナとトマトとリンゴ。リンゴは品種不明。トマトはできるだけ糖度の高いのを
選びましたがお値段の方も相応に高くなってしまいました。画像ではトマトは
4つありますが味を確かめてみて2つのみ使うことにしました。バナナも同様に
1本と1/4使用しました。


バナナの加工。表面にレモン汁を塗り電子レンジで600ワットで
3分半加熱。取り出してスプーンでざっとペースト状に潰してから
更に2分加熱。それを裏ごしします。バナナは意外に繊維が多いので
油断すると手間がかかってしまいます。


出来上がったバナナペースト。多少色が濁っていますが
もとの素材の色もよくよく見ればこんな色です。まあまあの
状態と言えます。


トマトの加工。皮を湯むきしてから1個ずつ電子レンジ600ワットで
3分。取り出してざっと潰してから更に2分。出した直後がこの状態です。
トマトも事前に味見をしましたが糖度が高いと言っても砂糖のように
甘いとは行かずに青臭さの弱さが感じられる程度です。思うのですが
基本的にトマトはお菓子にするより普通の料理の素材にする方が
向いているように感じます。


濾しました。ほとんど水分です。


リンゴの処理。4つ割りし表面をレモン汁で濡らしたら2つずつ
電子レンジ600ワットで5分加熱。何分加熱してもスプーンで
簡単に潰れるほどは柔らかくならずだんだん干物っぽくなって
いくだけなので一気に5分加熱したらあとは取り出して力ずくで
すり下ろすだけです。皮は一旦外しますが果肉本体を潰したら
可能な限り皮の方もすり潰します。これによってほんのりとした
ピンク色の色が付きます。


出来上がったリンゴペースト。幼児用の加工食みたいです。


三つの食材を並べる。どれも下ごしらえとしては悪くない
出来です。しっかり加熱したのでバナナのあの嫌な香りも
有りません。これらをすべて鍋に一つに混ぜました。


素材だけで約280グラム。レモン汁はあちこちで少しずつ
使ったので全体の量は不明ですが大さじ2くらいは
入ったと思います。甘味がそれなりにあるので砂糖は
25%の70グラム加えました。ペクチン無しでもしっかり
ゲル化するリンゴも入っているしこの状態でそれなりに
とろみもあるのでまずはこのまま加熱開始。


沸騰してきました。


11分で完成。


ミルクっぽい明るい色の仕上りです。前回のバナナとトマトの
ジャムに比べればかなり良い出来です。作った直後はこれで
良しと思ったのですが冷やしてからあらためて食べてみると
しっかり味わうとさほどではないものの口に運んだ直後の
食べ口の甘味の薄さが気になります。また煮込みが足らず
生っぽくて何だかジャムというより果物のすり下ろしペーストと
いうような感じがします。やはりしっかり炊きあげないとジャムと
呼びたいような品物にはならないようです。

というわけで砂糖70グラムを追加して割合を30%とし、追加で
煮込む代わりにペクチン2グラムを水に溶かして加熱した
ペクチン液を投入して数分加熱しました。これによって口当たりも
ぐっとジャムらしくなりましたがやはり全体としては煮込みの足りない
ジャムらしくない味のままです。味そのものはあのバナナの臭みや
ドロドロ感、トマトの青臭さも少ない嫌みの無い味にはなったのですが
代わりに素材の個性の薄い「これは何のジャム?」感の有る
もうひとつ納得のいかない品物となりました。工夫はしてみたし
それなりの結果はあったのですがジャムという品物は多少素材の
フレッシュな個性と引き替えにしてでもじっくり炊かないとおいしく
出来上がらないものなのかもしれません。また頑張ればジャムの
素材にできても結局はあまりおいしくならないジャム向きではない
素材というものも厳然として存在すると言えるのかもしれません。