[圧力鍋を用いた完熟梅のジャム] (2017/8/1)
 
固い素材を鍋で煮潰すためには高温で煮たり長い時間煮たりする
必要があります。しかしその場合加熱により素材の香りや味が
変わったり砂糖が入っている場合にはカラメル化したりしがちです。
またいくら煮ても煮潰れてくれないパイナップルやリンゴのような
素材もあります。これらの問題を解決すべく圧力鍋を導入して
みました。


圧力鍋。バール金属製の2.5リットル用のモデルです。
比較的安価な製品で容量も少なめですが私がジャムを炊くのには
十分です。


素材の完熟南高梅。青梅でも作ってみましたがやはり青梅は
梅干しや練り梅のような塩気を感じるような錯覚を感じてしまい
ジャムとしてはもう一つです。フルーティな香りが高く杏などの
果物に近い風味の完熟梅がベストです。


完熟した桃のように種から身がぽろりと取れると良いのですが
そううまくは行かず一つ一つ包丁で身をそぎ落としました。
皮付きのこの状態での重量は約250グラムです。ここへ
鍋が焦げ付かないように適量の水を入れ圧力鍋での加熱に
かかります。


加圧状態になってから5分。火を落として冷めてから
蓋を開けた状態です。やけどしないように気をつけながら
これを漉し器で裏ごししてやります。


濾し終わりました。ここから土鍋で炊きにかかりますがどの程度
固まりやすいか心配だったのと今更あまりこだわりもなかったので
グラニュー糖と共にペクチン代わりのアガーを5グラムほど投入
しました。アガーはあらかじめグラニュー糖とよく混ぜておきます。
砂糖の量は味見しながら足していきましたが完熟とは言え梅のため
かなり酸っぱいので通常の果物なら重量でせいぜい40%のところを
今回は100%、250グラムもの量を投入しました。


今回は温度を測りながら炊きました。梅は非常に焦げやすく
全体が沸いていなくても極弱火であっても直火が当たって部分的に
高温になった部分はたちどころに焦げ始めるるのでいつも以上に
熱心に休まず混ぜ続けなくてはなりません。時間は関係なく
温度が90度を超えたあたりで完成としました。容器に張った水に
一滴落としてまとまったまま沈むかというチェックもちゃんと
しましたがこのチェックでも問題ありませんでした。炊くというより
この温度まで加熱する、という表現の方がイメージ的には正しい
感じがします。


これだけの量が出来ました。贈答用にもしたかったので小さな
瓶に詰めています。味は申し分ありません。色もこれなら
手作りとしては十分でしょう。アガーを使ったのはインチキかも
しれませんが特段こだわらずに失敗せずにジャムらしい品物が
完成すれば良いというならこれも十分にアリだと思います。
ただ素材次第でアガーなりペクチンなりの量を調節しないと
カチカチの品物が出来ることもあり得ますからそういうのは
失敗と言えば失敗ですが、自分で食べる分には一旦スプーンなどで
撹拌して軟らかくしたり水を混ぜて撹拌するとか同じ素材で
今度は添加物なしで炊いたものに混ぜて薄めてしまうなど
無駄にしない手立てはいくつもあります。厳密な化学実験を
しているわけではないし失敗はとりあえずそれとして柔軟に
対処して次の機会にその経験を活かすという姿勢の方が
気楽と思います。