[メカコレクション アンドロメダ(さらば・2202)] (2019/12/24)

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低価格でノンスケール、部品数は少なくてもレベルの高い造形、大きなサイズでは出せない
アイテムまでカバーするコレクション性…等の特徴を持つバンダイのメカコレクションことメカコレ。
そのメカコレの銘を打たれた最初のシリーズが「さらば宇宙戦艦ヤマト」(以下「さらば…」)の
商品群でした。当時もバンダイは特撮やアニメのロボット・メカのプラモデルを多く発売して
いましたがそれらに較べて「さらば…」のメカコレの造形レベルは突出していました。
そもそも元になった作品が対象としていると思われる層からしてヤマトとそれ以外の当時の
ロボアニメとでは異なっていたと思われますし、それゆえに映画公開前から発表された
「さらば…」のメカの画稿群はそれまでのアニメとは歴然として異なるものでしたから
それらを立体として表現すべく製作されたプラモデルも自ずとハイレベルなものとなったのも
当然といえば当然かもしれません。しかしそうであっても(一部の商品には生煮えなものも
ありましたが)このメカコレのシリーズは総じて出来が良すぎでした。「さらば…」のプラモデルは
大きなサイズのものも多く発売されましたがこちらは全体の出来は良好であっても
変な具合に見切りの付けられた造形やディテール処理などもしばしば見られ、スキの多さを
感じる品物が少なくありませんでした。メカコレとてスキが無いとは言いませんが
一部の「何か理由があったんだろうな」と思われる商品を除けば最初にラインナップされた
10点に関しては多少無理をしてでも明らかにそういう隙を見せまいと頑張ったあとが
見て取れる品物が多かったように感じます。
その「さらば…」のメカコレのなかで個人的にもっとも出来が良いと感じたのがこのアンドロメダです。

「さらば…」のメカ設定には多くのメカについて三面図が描かれています。アンドロメダに関しても
非常に格好の良い三面図が描かれておりメカコレはこれにかなり忠実に造形されていることに加えて
これでもかと細かく再現したディテールやディテール抜きの表面形状に関してもそれまでの
キャラ物のプラモのように単純すぎる平面や曲面、それとは逆の何となくごまかしたような曖昧な
曲面で片付けなかったことが品物の精密感を高めていると感じられます。手抜きや見切りを
良しとせずアニメ設定の三面図と金型製作の限界に挑むがごとき設計・加工を両立させた快作です。
この品物によってバンダイのキャラ物プラモは確実に一段、或いはそれ以上の階段を上ったと
言っても過言ではないのではと思います。

画像の品物は部品間の段差や合わせ目の処理、現在のプラモに較べればボンヤリしている筋彫りの
彫り直し、マスト類を細く削る、やむを得ず埋まってしまっている部分を可能な程度彫り込むといった
加工を加えていますが全体には普通に組んだだけと言っても良いレベルの作業しかしていません。
塗装は映画の画面を意識して明るく色目の少ない灰色としました。

 

サブノズル内側は塗り分けが
パキッと引き立つよう筋彫りを
追加しました。

砲塔は筋彫りを修正した以外は
そのままです。艦首の小穴は
無かったので追加。

 

 

 

 

さてここからは「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」のメカコレのアンドロメダです。
言うまでもないことですがアニメもプラモも40年の歳月の間に長足の進歩を遂げてとても高度な
ものが作られるようになりました。アンドロメダも基本のデザインに変化はないものの現在の
クリエイターの手でリニューアルされメカコレも精密感が更に高い品物になりました。その分
昔のメカコレに較べればパーツは多く値段も高くなりましたがメカコレというシリーズに
込められたエスプリははそのまま引き継がれています。

画像の品物は一切の改造を加えていない素組みです。艦橋周りに一部パーツの合わせ目が
目立つ部分があったのでそこだけは処理しましたがパーツの合いの良さと設計の巧みさで
合わせ目の処理が必要ない部分も多いのはまさに現在のバンダイのキットらしいところです。
塗装はアニメの画像を参考に暗めで緑がかったグレーとしました。「さらば…」のアンドロメダに
較べて悪っぽい色です。

 

後部の主砲塔はクリーム色の
塗り分けは無いのが正解ですが
間違えて余計な手間をかけて
塗り分けてしまいました。

 

 

 

 

 

「さらば…」のメカコレアンドロメダと「2202」のメカコレアンドロメダを並べてみました。
台座の高さが違うので真横には並びませんがそれもご愛敬です。

違うといえば違いますが、そう
大きな差異を感じさせないのは
キャラ物としては凄いなあと
思います。

後方から見ると前方からより
いろんな違いが見て取れます。
ブリッジの下部とかサブノズル
周辺とか。

似たような大きさです。筋彫りの
量や造形の密度は大分違いますが
メカコレの差というより元々の設定画の
密度の違いによるものと感じます。

同じアンドロメダでもかたや40年前の
映画のために設定されたもの、かたや
現在の作品のためにデザインされたもの。
その違いがこうしてはっきり現れて
いると言えましょう。

甲板の筋彫りは「さらば…」の
メカコレの方が本数が多かったり
します。「2202」の方が全体に
グラマラスなラインで構成されて
いるようにも見えますね