[1/24 スゴウアスラーダGSX] (2019/12/24)

※すべての画像はクリックすると別窓で大きな画像が見られます。
アオシマから発売されたキットです。同社はこれまでサイバーフォーミュラOVAからのマシンなら
数多くリリースしてきましたがTV版からのサイバーマシンの1/24立体化は本品が初めてです。
これまでの実績を武器に、これまでのキットではあまり再現してこなかった(らしい…
多分組み立ての煩雑化や価格の上昇を避けるため)内部構造も積極的に造形した新たな
方向性のサイバーフォーミュラキットです。

アニメに登場するクルマということでこのキットはアニメモデルなのかカーモデルなのかという
ことになるのですが、これはもう明らかにカーモデルです。そういう意識で取り組む必要があります。
アニメモデルといえば誰しも思い浮かべるのはガンプラですが親切を極めて説明書の下読みも
パーツチェックもせずいきなり説明書の順に部品を切り出して組立てていけばとにかく形には
なるという、そのような品物とはこのキットは訳が違います。美麗な箱絵やカラフルに色分けされた
パーツ群を見ればガンプラのように組めそうに思えてしまうのは無理ないですが、それだと
最初は「ラクラク」でもだんだん「これは変だぞ…」となりはじめて最後には「こんなハズでは」で
終わるのは目に見えています。キットの出来も素性もかなり良いと感じます。普通に組立てるだけで
相当良いものが出来上がると思います。ただしそれは作り手が油断なく準備をしてしっかりと
工程を考えて慎重に作業を積み重ねれば、です。

実際の話、フロントからコクピット周りまではガンプラ並にラクにきっちり組み上がります。しかし
リア関係になるとどことどこがどう組み上がるのか、完成後にどこがどのくらい露出してどこが
目立たないのか、どんな順で組み上げたら良いのかがかなり分かりづらくなっています。
部品によっては寸法的にうまく組み上がらず修整が必要だったり他のパーツと干渉するくせに
位置合わせの明確な手がかりすら無いパーツまであります。ぶっちゃけ、あとでむりやり剥がして
表面処理をし直すくらいの覚悟でもって一度主要なパーツを接着してしまうくらいのことをした方が
良いと思います。

さてこのキットの特長も書いておきましょう。クルマといえどテレビアニメのメカということで画面で
見栄えがするようにかこのアスラーダGSXはギミックの多いメカです。ウイングの折りたたみや
エフェクトファンの開閉、ブーストポットの上下など…それらのギミックを主に差し替えでこのキットでも
再現できるようになっています。また先に書いた通り内部構造もできるだけ造形ということで
組み立て時にボンネットなどの外装を接着しなければ完成時も内部を鑑賞することができます。
現実のクルマではないですからどの程度説得力があるのかとは思いますが見どころの一つでは
ありますし作っている時のワクワク感も高まります。

さて実製作について。カーモデルは数多く製作してこなかったのと先に書いたようなアニメモデル的な
思い込みもあって苦戦した所もありますが、繰り返しになりますが実車のスケールモデルと思って
慎重に取り組めば特別な改造や手当はしなくてもとても魅力的な完成品に仕上がります。
そういう意味で良いキットなので事前に十分に予習をしてから取り組むことをお勧めします。
画像の作品も改造の範疇に入る作業は一切していません。最後に組み上げてフロントウィンドウと
ルーフの間に隙間ができてしまったので両者を接着してボディとの合わせ部を調整したとか
ボンネット内のメカのカバー(?)をラクに取り外せるよう部品合わせの一部を切り飛ばしたとか
ドライバーフィギュアが上手く納まらないという話を聞いていたので事前に肩の後あたりを
ガッツリ削り込んでおいたという程度です。塗装は適当(!)にイメージに合った色で。
デカールははどっさり入っていたのですが何だかうるさいので好みに合うのをできるだけ少なく
貼りました。最終的にはモデラーズのオートクリアーを上掛けしてタミヤのコンパウンドの
粗目中目細目で磨いてクレオスのコート剤を擦り込みました。手間を省いてペーパーがけを
さぼったので表面はやや塗料を吹いた凹凸が残っていますが画像では分かるまい…。
ちなみにパーツのヒケはかなり少なかったのでその手の表面処理の手間はさほどかからないと
思います。

低い位置から。アニメ設定では
結構上がり下がりのメリハリが
きつい感じのラインで描かれて
いるような気がしますがキットは
この通りかなり滑らかなラインに
設計されています。

正面から。

斜め前。

側面。

斜め後ろ。

後面。この画像で見えている
あたりのパーツの組上げが
難物というか難所です。

真後ろ。排気口うしろの青色の
(多分)整流フィンは行き当たり
ばったりに組んだら見事に
ガタガタな出来に。ここは
手間をかけて治具でも作って
キッチリ組み上げることを強く
推奨します。

角度を変えてやや上から。

ウインドウ類は一度ペーパーがけ
して磨き直しましたが元々状態は
良かったので必要なかったかも。
うっすらとクリアパープルを裏から
かけてあります。

 

 

 

 

このブーストポッド周辺は
もし実車だったら結構
気流の乱れが起きそうですね。

パーツ差し替えで後部の
ウイングを畳んだ状態にできます。
レース中に使うギミックというよりは
輸送中に場所を取らないような
対策でしょうか。でもそれだと
単純に取り外し式にする方が
簡単な気もします。

ウイング折りたたみ状態、
後から。

ブーストオン!ブーストポッドが
上昇します。エアの取り込みや
冷却は向上しそうですが空気抵抗や
車体の重心の変化など不利も
有りそう…それらを承知で
パワーでぶっちぎるということ
なのでしょう。

ブーストオン、後から。
キットでは中間パーツを
挟み込んでポッドを高い位置に
持ち上げています。

ドアはヒンジが針金一本で、
なんちゃって開閉も出来ますが
取り外しも出来ます。
エフェクトファンはカバーが開閉
選択式です。カバーは前方のヒンジで
開く設定でしょうがファンなんか
回さなくてもカバー解放だけで
強烈に下向きの力が生じそう。

ボンネットを外しました。
フロントホイールはロッドで
繋がっていて左右連動します。

ルーフとフロントウィンドウを
外しました。

リアカバーも外しました。
フロントのメカカバーも外せますが
その下には大した物は無いので
画像はありません。

エンジンも下ろせます。

後方から。

コクピット周りもしっかり
作り込まれています。
ナビ用のシートはドライバー
シートより小ぶりです。

コンソール部も見応えあります。
アスラーダヘッドは下部を差し替えれば
下がった状態にも。ドライバーは
下半身もしっかり造形されていて
コンソール下にしっかり造形された
フットペダルをちゃんと踏んでいます。
でもしっかりシートに密着するように
調整が必要。

車体裏。ディテールも入っていますが
レースカーなので基本的に平らです。
ドライバーが乗ったまま裏返しとは
不吉な…。