[BB戦士 ビルドストライクガンダム] (2014/11/30)

「なにか作ってみない?」とお声がけいただいて作った品物です。
相談して決まった内容はBB戦士のキットを改造してスタービルド
ストライクガンダムを製作するというもので具体的な製作ポイントは
私に一任となったので思いつくまま各部に手を加えてあります。
完成後は依頼人の手に渡り同人誌の記事になりました。その後
私の手に戻ってきた品物に納品に間に合わなかったビルドブースターを
加えて本ページの記事としました。なお同人誌は2014年夏に
発行された後完売してもう発行者の手元にも一冊も無いとのことです。
同人誌とはいえプロの手により撮影・編集された記事はこのページの
へなちょこな画像や内容よりずっと見応えがあったのでもう入手できないと
いうのはなんとも残念です。もちろん私のこの品物だけでなく他の方の
魅力的な作品も多数掲載されていましたし。

本体正面。
肩、下半身、首の関節の新造により全体の
バランスが変わっています。馬面が指摘された
キットですが苦し紛れの赤い隈取り追加が
思いのほか効果的で他をいじらなくても
雰囲気が大きく変わりました。胸から頭が
浮いて見えるのがちょっと残念な感じですが
ユニバースブースターを背負わせるとこの部分に
胸カバーの繋がるプレートが重なることになるので
可動のことも考えてここに隙間ができるのは
ある程度仕方ありません。ところで画像で左腕が
抜けかけているのはご愛敬ということで。

斜めから。
アンテナはゴリゴリ削ってエッジを立てました。
途中から生えている小アンテナを一旦切り取るとか
見た目以上の手間をかけています。
胸部はこれだけ見ると何の芸も無く見えますが
ユニバースブースターからの胸カバーが被さるので
前後厚も上下厚もバランスを考えつつ縮めねばならず
またプレイバリューを考えての構造ではあるのでしょうが
脇からの見栄えを悪くしている無用な胸の二重構造の
解消もあって大改造となっています。腰もキットは
驚異のワンパーツ構成なので前後左右6枚の
アーマーをすべて切り離して可動にしました。

後方。
見た目にはそんなに変わっていません。大胆な肉抜きの
脚部は型取り複製・加工してスタービルド仕様に。肩内部の
ダクト?は精度良く自作するのは大変な部分ですが幸いにも
HGBFのパーツがバチピタなので複製して使用しました。
それから肩アーマーの赤と白のパーツがキットでボールジョイント
接続となっていて特に可動にすべき箇所でもないので
「?」と思っていたのですが多分これは組み替えて遊ぶ時の
プレイバリューを広げるための処理なのでしょう。本作では
この部分にポリキャップを仕込んで白い部分が跳ね上がる
ようにして改造した肩の可動を妨げないようにしてみました。
あとアンクルガードは切り取って臑下縁の前面に設けた軸で
ロールするようにしてあります。

武器を持たせました。
ライフルはHGBFのものを各部で切り貼りしてSDに
ふさわしい形状に。組み替えで三形態に変わる仕様は
センサー部を差し替えにしつつそのまま活かしてあります。
左肩アーマーは上で書いたとおりこんな具合にちょこっと
上方に白い部分を動かせます。盾もHGBFから。
真ん中辺で上下に詰めればBB戦士に付属の盾とほぼ同じ
ボリュームに出来ます。また盾先端のパーツの可動は
残してあるので伸ばせばライフルと接続することも出来ます。
BB戦士に付属していたライフルはスタービルドとしては
使っていない(というかテレビ本編では初使用時にいきなり
ザクに握りつぶされてその後使用された様子がない)ので
使いませんでした。

側面。
盾はせっかくなので真鍮線の軸を仕込んで
開閉できるようにしました。自己満足的な
改造ですがこういうイタズラじみた仕込みが
楽しいのです。そういえばこのキットの顔が
本編のビルドストライクと雰囲気が異なる
一つの原因は目も含めたマスク部がいわゆる
「魚顔」がちになっているからということが
あげられます。魚顔が何のことか分からない方は
「ガンダム 魚顔」で検索でもして調べて下さい。

このページが初公開のビルドブースター。
一応BB戦士のパーツが元になっていますが
ご覧の通りセミスクラッチ級の手間のかかった
大改造品になっています。機首が差し替え
変形なのとグリップを省略したのを除けば
HGBF並みに可動します。…今気づきましたが
キャノンの塗り分けが一部間違ってますね。

後方から。
SDでもやっぱり前後に短く横幅が長い
変な形です。ところで本体と一緒に
依頼主にこれを納品しなかったのは
間に合わなかったからという最大の
理由の他ビルドブースターはスタービルド
ストライクという発注の範疇から外れるので
納品を求められなかったこと、本体脚部の
差し替えを見送ったためどのみち本体が
無印ビルドストライクにならなくなった
こと等の理由によります。

合体。
翼を水平に、キャノンを前に回した
状態です。

後方から。
機首は水平に引っこ抜いて
下から差し直すだけのお手軽仕様です。

別フォーム。
翼を立ててキャノンは後ろに。
このフォームの方が標準的でしょうか。
私のイメージでは本編では割と早期に
ビルドブースターはユニバースブースターに
入れ替わってしまった感じなので
あまり印象が強くありません。
格好は良いんですが。

後方から。
もちろん翼はHGBF同様に可動。
キャノンはワンパーツで半端ない
肉抜き状態だったのでとりあえず
パテで埋めてから型取り複製して
加工しました。材質が均一になると
改造部分の事後変形の心配が
減るのもメリットのひとつ。マジな話
シリコンとキャストによる型取り複製は
覚えておけば本当に便利で役立つ
技術のひとつですからぜひ皆さん
(誰?)にも身につけて欲しいと思います。

真横から。
大体こんなボリュームということで。
キャノンは前方に回した時の見栄えも
考えてキットのままより大分長く
伸ばしてあります。

ユニバースブースター。
もちろんHGBFの改造品です。
全体に長さを詰めて幅を増す方向で
手を加えています(一番下の画像参照)。
実は無改造でもBB戦士に背負わせる
ことが出来ないではないですが
HGBFとBB戦士でまったく形が同じと
いうのは感覚的に耐え難いものが
あります。この形態では後方に伸びる
キャノンはビルドブースターとは逆に
ぐんと短く詰めてあります。

後方。
プロポーションは変更しましたが
ディテール面はHGBFを踏襲しています。
各パーツの改造に合わせてピンクの
クリアパーツも整形しましたが
この素材が何だか柔らかくて加工しづらく
ちょっと困りました。パーツに嵌め込んだり
取り外したりする都合上かもしれませんが
個人的に普通の透明プラの素材の方が
有り難かった感じです。

合体。
武器も持たせました。この形態だと
胸と頭の位置関係がこれで正解だったと
納得してもらえると思います。
胸上面から正面をおおう胸カバーパーツは
胸本体と形状を合わせるために差し替え式。
なにげにライフルを別形態に組み替え。

後方から。
変形はHGBFのギミックのままですが
背中への取付けは専用の中間パーツを
介して行なっています。

キャノンを前へ。
またライフルをこっそり組み替え。

後方。
ちなみに今回の撮影のスタンドには
フィグマのスタンドを使っています。
腰下面の穴にピッタリはまるし
スタンドの可動部分の数や構造も
過不足なく可動部の渋みも適度で
支持力がありとても便利です。
BB戦士や1/144のガンプラで
比較的小柄なものにはうってつけです。
…ただし台座のフィグマのロゴは見ない
方向で。

おまけ。
ビームサーベルやサーベルを
抜いた状態の基部パーツも
作りましたとか、足の裏の肉抜きも
ちゃんと埋めて簡単にディテールを
加えましたとか、そんなアピールの
ためだけのへなちょこ画像です。

比較。
長いのがHGBF、詰まっているのが
今回の品物。この画像はオリジナルの
データがどこかへ行ってしまったので
ツイッターでアップしたものを回収して
ここに掲載しました。この画像だけ
何だか画質が悪いのはそんな理由なので
ご了承ください。

完成したのが半年前なのでどう手を加えたのか忘れてしまった部分や
さんざん苦労したのを思い出したくなくて記憶から追い払ってしまった(笑)部分も
あるかもしれませんがこんな感じです。この品物はプラモデル完成品としては
出戻り後第1作となり5年振りくらいの完成品となります。過去長いこと色々な
ものを作っていたとはいえ出戻りでこれは今見ると随分盛り込んだものだと
思いますしそれがとりあえずこの程度の出来映えで完成したことは何よりと感じます。
それもこれも私を見込んで十分な製作期間を確保して製作を依頼してくださった
のみならず製作中も細かい相談に応じていただいたりあまつさえ締め切りの延長まで
快諾してくださった依頼主の某氏のおかげです。あらためて感謝申し上げる次第です。
ただ何となく自分のためだけに作っていたらここまでのことはどう考えても
やらなかっただろうと思います。