[モデロイド ガンバルガー] (2021/10/5)

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1992年放映のTVアニメーション、「元気爆発
ガンバルガー」の主役ロボのプラスチックモデル
です。モデロイドというのは番組には関係なくこの
キットのメーカーのグッドスマイルカンパニーが
自社開発のプラスチックモデルのブランドとして
使用している呼称です。


ファンにエルドランシリーズと呼ばれるTVオンエア
された3作品のうちの2作目が元気爆発ガンバルガー
です。主役側のロボットという視点で見ると3作とも
主役の子供各一人が乗り込む中型ロボ3体が合体
して大型ロボになったり中盤以降に大型ロボと
同クラスの新戦力が登場して全機が合体して
更なる大型ロボになるといった共通点があります。
ガンバルガーは前半主役の大型ロボでキットは
設定通りその合体を再現していますがそれに加えて
ガンバルガーでは他2作と異なり中型ロボ単体で
動物型(A=アニマルモード)と人型(F=ファイター
モード)の2形態を持つという設定がありこの変形
をも実現しています。凄い品物ではあるのですが
さすがに設定が盛りだくさん過ぎてそれを実現して
いるのは良いのですが各所に「見えないフリを
しないと辛い」ポイントがあります。それを
いちいち挙げていると悪口になってしまうのが
心苦しいのですがとにかく全体には「凄いには
凄いが辛い部分も多い」品物になってしまって
います。


そういう品物であるということを受け入れた上で
作り手としてどうアプローチするかというのが
これまた辛いところで、正直考えかねて仮組みした
ところで何ヶ月か放置していました。今現在の私の
見解としては「希望小売価格七千円に迫る値段の
品物の楽しみ方としてそれで納得できるなら
パチ組みしてシールを貼るだけで完成とする」か
キットのすべての仕様を一つの品物ですべて
完全な形で顕現させようとするのは諦めて自分の
望む要素−合体なり変形なりプロポーションや
ディテールなりアクション性なり−をピックアップ
してそれ以外は捨てる覚悟で臨むかのどちらか
だと思います。パチ組み+シールで終わると
いうのはかつてカバヤが発売したガンバルガー
ガムと同じで3つ揃えて900円の品物と同じ楽しみ方
で納得するというなんともコストパフォーマンスの
低い楽しみ方で私的には受け入れ難く、一方で
キットを多数買いして仕様を替えていくつも作ると
いうほどのガッツも無く、そしてパチ組みだけした
中途半端のままずっと放っておくのも嫌で、結局
私なりの折衷で…

・シールは用いず塗装は成形色で再現されていない
 部分のみに施す
・パテやプラ材が必要な改造は行なわない
・外観部における部品同士は接着剤を用いて接着し
 合わせ目消しの表面処理を行なう。個々の部品の
 パーティングラインの処理も行なう。これに伴い
 部品表面へのペーパーがけを全体に施し
 艶消しクリアの吹きつけで表面質感の統一を図る

…という基本方針で製作に臨むことにしました。
先々のことは分かりませんが「グレート合体」まで
突き進んでしまった場合でも対応できる(艶消し
クリアの塗装だけならこすって剥げてもダメージが
小さい)製作の仕方にした訳です。どんなやり方を
選んでも間違いではないと思いますがそれでも
やっぱりこれも中途半端な作り方と言わざるを得ず
結果的に製作そのものに対する満足感も半端に
ならざるを得ませんでした。誰が悪いとか行き届か
ないというわけでもないのですがある意味かなり
難しい品物だったと思います。

上記の基本方針の例外とした部分を挙げて
おきます。それは顔です。コアロボ(分離した3体の
ロボ)は良いのですが肝心のガンバルガーの
顔が言いづらいのですが良くありません。
鼻は溶けかけたようになっていますし口はまるで
何十年も前のロボプラモのような造形です。
合体にも関係ないのでここは直しました。鼻は
削り落として同色のランナーを削った小片を
瞬間接着剤で接着、削り出しました。口周りは
削り落として彫り直すだけでどうにかなるかと
思いましたが前後方向の厚みが無いと
不自然な造形にしかならないのでやむなくここも
ランナーを貼り付けて削り出し直しました。
あとはペーパーがけだけして終わり、塗装は
していません。画像を見てもらえば分かりますが
それでも意外に目立ちません。

あとはガンバーソードの縁の部分が厚ぼったくて
剣の形をした殴打武器のようだったのでエッジを
削り込んでMr.カラーの銀色を吹き直したという
程度です。他に書くことといえば…部品同士の
接着はPS材の部品は白ラベル瓶の普通の
タミヤセメント、ABS材は同社のABS用セメントで
接着してハタガネとかクリップでしっかり固まる
まで固定、その後むにゅっとはみ出た接着剤を
ペーパーで削り落とすやり方で処理しました。
ABS用セメントは乾燥に普通のセメントより
多少時間がかかりますがちゃんと乾けばペーパー
がけも普通にできます。ABSは色は塗れないと
思い込んでいる人もいるようですが普通の模型用
塗料がちゃんと乗ります。まあ今回の場合よほど
細かい部分以外の表面をしっかりペーパーがけ
していますからそのせいで足付き良く剥げづらく
なっているとは言えるでしょうが。

さて繰り返しになりますが、やっぱりこのキット、
きっちりと覚悟を決めて捨てる部分を捨てられる
人以外はパチ組んでシール、こすれないと分かって
いる部分だけ塗装でお手軽に済ますのがいいと
思います。なかなかに罪作りな品物です。



「見栄えパーツ」を使用したガンバルガー。
正面からは腰外装やスネの内側がそうです。
どちらも見栄えパーツを追加装着する形式です。



後から。背中中央のパーツが見栄えパーツ。
マッハイーグルの機首から置き換わりますが
このパーツは見栄えの他にゴウタイガーと
マッハイーグルの固定を確実にする役割を
持っています。



「見栄えパーツ」無しのガンバルガー。
腰回りがやや細めに見えます。スネの幅は
好みですが合体ピンは隠れていて欲しい
ところです。



背面から。背中中央はマッハイーグルの
機首が剥き出しです。見栄えが特別に悪いと
いうほどではないかもしれませんが
収まりがいいとも言えません。あと画像では
付け忘れていますがアニメの設定では
合体時ゴウタイガーの腕は肩関節を
中心に背中側に回ることになっていて
この模型でも一旦取り外した腕を
ゴウタイガーの肩甲骨の部分にある
穴に差し込むことになっています。


 
改造した顔の白い部分にはスミ入れ以外の
塗装は行なっていません。見えない部分で
各パーツの合いを良くするための削り込みは
あれこれ行なっています。首は全体が黒色の
部品でしたが上部のみ白色で塗装しました。



ゴウタイガーAモード。黄色の塗装は
成形色は気にせず好きに色決めしましたが
やっぱり違和感があるので他の2体では
成形色を意識した黄橙色を混ぜた色に
しました。



武器やガンバルガーの胸パーツを
付けた状態。これは昔の玩具リスペクトで
アニメでは無い装備…と思っていたら
胸パーツはさておきキャノンや剣は
アニメでも設定があって本体の内部に
普段は収納されているそうです。


 
尾が剣ですが、アニメ設定では剣は背中の
出っ張りの中に収納されていることに
なっています。


 
「見栄えパーツ」に交換したゴウタイガー。
腰から後ろが丸ごと入れ替わります。
後ろ足は元のままの物を使用します。


 
「見栄えパーツ」裏側はゴッソリ肉抜きに
なっていてとてもお見せできません。


 
マッハイーグルAモード。スタンドは手持ちの
物。キットには付属しません。


 
後方から。特にコメントを付けることが
ありません。良い感じです。


 
キングエレファンAモード。象の眉間や
鼻の合わせ目はこのキットでもっとも目立つ
部分で、余計なお世話とは思いますが
パチ組み基本でもここだけでも処理すれば
随分見栄えが違うのになーといつも感じます。


 
後ろから見るといかにも見切りを付けたと
いう感じの部分が目立ちます。剥き出しの
合体部分とかFモードから手を外しただけの
後ろ足とか盾として頭を持つ時の握り手が
そのまんまとか。


 
Aモードのコアロボ3体。大きさのバランスは
いい感じです。プレイバリューとかスタイルとか
ゴウタイガーが一番優遇されている感じです。


 
横から。キングエレファンは部分形状の
見切りは多いのですがプロポーション
そのものはいい感じです。


 
ゴウタイガーFモード。関節も割とよく動いて
ポーズも付けやすいです。


 
背面。


 
マッハイーグルFモード。合体の都合上
可動もプロポーションも率直に言って
なかなか辛い感じですがデザインや
設定の制約上もういかんともし難いところ
でしょう。これ以上は差し替え式にでも
しないといろいろ難しかろうと思います。


 
背面。大きな翼が重すぎて立てないので
背中の穴に棒を差して立たせることになって
います。開発者もこれはなかなか辛い判断
だったんじゃないでしょうか。翼を二回り小さい
見栄えパーツに、というプランもひょっとして
あり得たかも知れません。


 
キングエレファンFモード。前から見れば
辛うじて人型として成立していますが…。


 
背面。AモードでもでしたがFモードでも
どでかい合体ジョイントが丸見えで
見切りを付けた感が凄いです。


 
Fモードのコアロボ3体。相応の理由は
あったのでしょうがマッハイーグルの
翼はやっぱりボディのサイズに合った
差し替えが欲しかった感じです。


 
背面。キングエレファンは…まあ
頑張れるだけ頑張った結果なのだろうと
思います。


 
武器を持たせたり動物頭を背負わせたり。
象の鼻は二つの関節で前後によく動きます。