[「クラフトのこ」と「薄刃クラフトのこ」] (2017/11/14)

模型店で見かけるタミヤクラフトツールシリーズの一品「薄刃クラフトのこ」。
DIYショップで見かけるOLFAの「クラフトのこ」と本当によく似ています。
持ち手の色以外は全く同じに見えるので専門工具メーカーのOLFAの
商品をタミヤのブランドに変えて販売しているOEM商品と思っている人も
多いでしょうが…実は違います。そのこと自体はいろいろ検索してみれば
確かめられますしこのことに触れているブログもいくつか存在するのですが
見た目で一目瞭然という画像を上げてみたいということでこのページを
作成してみました。

先に結論を書くと、概ねでタミヤは刃の板厚0.25ミリ、切り幅は0.35ミリ、
OLFAは刃の板厚0.35ミリ、切り幅は0.5ミリです。実測値は画像で。
また刃の色が異なっているところを見ると材質か熱処理のどちらかが
異なっている可能性があります。

商品外観。
ブリスターの形状はおそらく同一ですし
商品の形状も目視した限りでは
形状上の差異は認められません。
これでは実質的に同じ物と思っても
無理はないでしょう。

実際、タミヤの物の持ち手にも
OLFAの刻印があります。
OLFA製の品物では
あるのですが…

左がタミヤ薄刃クラフトのこ、
右がOLFAクラフトのこ。
(以下すべての写真で同じ。)
新品の刃同士を較べると
側面から見た刃の付き方には
違いは無く大小小大小小…の
パターンが繰り返されています。
刃の色が異なっていて
タミヤの物の方が青っぽいですが
材質はOLFAはSU−95、
タミヤの方は炭素工具鋼としか
分かりませんでした。

ピンぼけですみませんが
背の方から較べました。
刃厚は前記の通り
タミヤは0.25ミリ、OLFAは
0.35ミリが公式の値ですが
マイクロメーターで実測したら
タミヤ0.27ミリ、OLFA
0.37ミリでした。

こちらは刃の側から。
実測値でタミヤ0.37ミリ、
OLFA0.50ミリでした。
この画像なら両者が同一とは
言いがたいのが一目瞭然だと
思うのですがどうでしょう。

というわけでともあれ同じものではないというのは明確になったと思います。
自分で確かめて発見したのは刃の板厚だけでなく側面方向への刃の立ち上がり量も
違っているということです。タミヤのは片側0.05ミリ、OLFAのは片側0.065。
そんなに違わないと思うかもしれませんが刃を左右から軽く指でつまんで動かしてみると
現実的には引っかかりの感じが結構違います。実用上の差となるとある程度期間を
とって比較しないと何とも言えませんが間違いないのはOLFAの方が切り込み幅が
大きくなるということです。

以下色々二つの品の違いについて考察しようかと考えていたのですが、切り心地だとか
使いやすさは作業者の技量や使い方の違いでどうとでも変わるし材質は片方不明だし
耐久力などはいよいよそれなりに長期に使わないと分かりません。正しいか正しくないか
本人も分からないことを考え考え書くのは不毛だし本人も辛いのでやめておくことにしました。
上に上げた画像や刃厚などの実測値を参考にそれぞれの方が自分なりに何か考える
助けになればということにしておきます。

〈付け足し〉どちらの品物を使ってもやがては切れ味が鈍って替刃が欲しくなることと
思います。タミヤのは一般の店舗での取り扱いはなくカスタマーサービスで注文するか
一部の直営店では現物を取り扱っていることもあります(タミヤフェアなどのイベントでは
見たことはありません)。OLFAは一般の工具店でも扱いがあることもあるでしょうが
本体はあっても替刃は注文ということもあるようです。価格はタミヤもOLFAも300円程度で
大きな差はないようです。