[1/72 VF-25S メサイアバルキリー オズマ機] (2017/3/1)
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バンダイから8年ほど前に発売された可変ギミックを盛り込んだ組み立てキットです。
3DCGを用いて緻密にデザインされたメカニックが番組本編さながらに
緻密なギミックでファイター・ガウォーク・バトロイドの3形態に変形します
…なのですがユーザーが自分の手で組立てて変形させるキットとしては
いささか緻密に過ぎて組み立ての手間はまだしも変形についてはCGでは
存在せず考慮の必要も無い「現実の品物」ならではの関節パーツの渋みや固さ、
ABSのようなある程度の軟質な性質を持つパーツのひねりからの戻り、
あまりに微妙な部品間の間隔、組立て説明書からは読み取れない部品の移動や
変形のコツ等によりカッチリと変形させるのは至難の業です。特に本品
VF-25Sに関してはバトロイドの頭部形状に関して不利な部分があるらしく
同じVF-25の別タイプに較べてファイター/ガウォーク時の頭部の収まりが
良くないという指摘があります。私が組立てた感触でもその通りで頭部の収まりの
悪さは腰アーマーの収まりの悪さと並んでイライラさせられる問題の一つと
なりました。
さて8年前のキットのレビューをしても仕方ありません。私がこのキットを購入したのは
実は番組放送当時に続いて2度目です。1度目の時は本キットと合わせて
限定商品のクリア版も購入し外装にクリア版のパーツを用いフレームなどは
通常版を用いた内部透過モデルを作ろうと考えたのですが諸般の事情で実現せず
どちらのキットも安価で処分してしまいました。その後昨年になってしばらく
やっていなかった模型作りをそろそろ再開しようと考えた時に「以前作ろうとして
作らなかった物の中からボチボチ作業を続けるだけで完成してそれなりに
満足感も得られるもの」ということで本キットを選択しました。比較的近年の
キットなので完成度は高いだろうし変形が売り物(だと思った)だからパチ組みでも
見栄えがするだろうと思ったのです。
それで実際にパチ組みで完成させて色々やり過ぎなキットだなと感じつつも
何となく満足したのでそのまま誰かにあげてしまおうと思ったのですが
なにせ古い品物だからか私のSNS上の情報拡散力が低いのかもらい手が
いつまで待っても現れません。弱点はあってもそれなりのポテンシャルのある
キットだしパチ組みとは言え組立てるのに相応の手間はかかっているし
何よりその品物がタダでももらい手が無いというのがどうもシャクだったので
せめて色を塗りシールを貼るだけでもちゃんと作業して完成させようということに
なりました。
ファイター形態。塗装は変形時に
こすって剥げても目立たないように
成形色にできるだけ近づけました。
マーキングはシールを使いましたが
翼端の黄色など明らかにシールでは
不利な部分は塗装で片付けました。
後方より。改造部分はほぼ
ありませんが頭部機銃の先端や
変形に関する調整の目的で
多少加工した部分はあります。
他に機首や主翼収納部など
どうでも目立つパーツの合わせ目は
処理しました。目立たないとみなした
部分はそのままです。
下面。スミ入れは最後まで
やらないつもりでしたが主翼や
本体の緻密なディテールは
スミ入れしないと品物をかえって
貧相に見せると判断し手間を
かけることにしました。
ガウォーク形態。上面の黄色と
黒のマーキングがある部分は
たくさんのパーツが寄せ集まって
一つのきれいな連続面を作る構造で
パーツ同士の位置関係もシビアで
上手く調整できないと非常に格好が
悪い状態になります。
バトロイド形態。頭をこの位置に
持ってくるのにはパーツの動かし方に
コツがあります。変形については
説明書を読んだだけでは分からない
コツがいくつもあります。機首の
折りたたみもその一つで上手くやらないと
折りたためません。胸の六角形の
板を一度取ってしまうのも塗装を
剥がさないコツの一つです。
それにしてもやせ形ですね。実は
番組本編もあまり見ていないのですが
本機はこの状態でなくアーマード装備を
施した状態での活躍が多かったとの
情報もありますしそれで素のままの
このキットの人気が高くなかったのかな
などとも思います。
後方。個人的に無印マクロスでも
フォッカーのSタイプが好きだったので
それもこのSタイプを選んだ理由の
一つです。
胴体部拡大。肩周りの部品の
散らばり具合を見て下さい。これが
他の形態ではきちんと一つに集まる
(ハズ)訳です。シールは粘着力もあり
水で濡らすなど既知のコツを用いれば
上手いこと位置決めも出来ますが
肩アーマー正面の黄と黒の縁や
微妙な曲面である足首アーマーの
ラインなど多少無理を強いられる部分も
あります。そういう部分はシールを適当な
場所で切断してしまうと作業がラクに
なります。肩関節の穴ディテールは
スミ入れを忘れました…写真になると
異常に目立つ…。あと額の赤い部分は
塗装しました。収納時にここと競る
部分は塗装を削らないようヤスリで
薄く削り込みました。
スタンドを使って飛び写真。
ズームのデジカメを使ってパースの
強調された画になりました。
何度も書いていますがパーツの
ガタツキはご容赦を。
というわけでVF-25Sでした。やはり全塗装スミ入れ済みはパチ組みよりずっと見栄えがします。
パチ組みや簡単フィニッシュなど、何度か試してそのたびにこれでは満足できないと思って
来ましたが私が満足できるにはやはりこの程度の手をかけることは必須のようです。
これよりラクをして済まそうというならトイを買ってきて飾るだけでも変わらないということでしょう。