[フレーバー入りイチゴジャム2種・その2] (2016/4/10)

第一弾としてカルダモンとペパーミントのイチゴジャムを試作しましたが

直ちに第2弾としてローズヒップを加えたイチゴジャムとバニラを加えた
イチゴジャムを試作しました。なお今回は前回の反省を踏まえ食感の
向上を目指して種を濾したり砂糖の割合を若干増やしたりしました。


前回同様素材はとちおとめ1パック。濾しやすくするためイチゴを4つに切り
軽く沸騰するまで鍋で加熱します。その後漉し器(画像は本来粉ふるいですが)で
種を濾します。


手間が少しかかりましたが、濾せました。残ったのはほとんど
種と繊維です。こうして濾すことで重量は約80%になりました。
元々が約250グラムなので濾した後は約200グラムです。
これを半分に分けて一方でローズヒップ、もう一方でバニラの
ジャムを作ります。


濾したイチゴのピュレはこちら。


このくらいの様子になるまで弱火で炊きます。アクが出ればすくい、
出来上がりは一滴を水にたらすいつものジャムチェックで判断します。。


ローズヒップの説明。ローズヒップとはバラの実です。製菓材料店で
乾燥品を買いました。そのままでは歯も立たないようなカチカチの
代物ですが水やぬるま湯で戻すと柔らかくなります。量や戻し方を
どうしたら良いのかよく分からなかったのでとりあえず大さじ1程度を
かぶるくらいよりだいぶ多め程度のぬるま湯につけて一晩おきました。
なお画像はまだ小さじ1程度。これでは少なそうだとその後足して
大さじ1程度としました。


戻してもローズヒップには種や皮、茎への付け根のような繊維質で
固い部分がたくさん入っているのでこれも漉し器で濾しました。
香りはこれでいいのかと思うくらい弱いです。加熱したら香りが
立ってくることを期待してこのまま使うことにしました。

画像はありませんが鍋でピュレを再度泡が立つまで弱火で加熱、
グラニュー糖を少しずつ加えつつ引き続き弱火で炊いていきます。
ローズヒップは出来るだけ後で入れようと思いましたがアクが出ると
嫌なので割と最初に入れました。またもうすぐ出来上がり、くらいの
タイミングでクエン酸を小さじ1/4弱加えて様子を見て完成としました。

また画像が無くて申し訳ないのですが、バニラの方を説明。
バニラは鞘入りを2センチくらい使いました。2つに割って種を
ピュレに加えて炊き始めましたが思いのほか香りが弱い気がしたので
鞘も投入、完成したら取り除くこととしました。こちらはローズヒップの
方のように新たに水分が加わらないのでこの時点で濃度があり
そのためかアクはほとんど上がらず、沸騰してから8分程度で
完成になりました。


左がバニラ、右がローズヒップ。どちらも特徴のある見た目では
ありません。ローズヒップや戻し汁のガサのせいか、右の方が
若干多く出来上がりました。


上から見てもあまり違っては見えません。事前に濾しましたが
ほんの少しだけ混入した種が見えます。また向こうが透けるほど
透明ではありません。

試食です。

まずはローズヒップの方です。鼻を近づけても何か特徴的な香りは
ほとんどしてきません。そもそも戻した時から香りなどするかしないか
だったので仕方ないですが。ソルトクラッカーに薄く塗ってみても変わりません。
囓ってみてもやっぱりただのイチゴジャムです。イチゴ本来の香りは
してきてもそれに負けてしまったのかローズヒップの香りというのは
感じられません。また味の方も同じでこれまたただのイチゴジャムです。
量が少ないからか、使い方か間違っているのか…量が問題だとすれば
この3倍くらいは入れないと明確な変化は無さそうですが、それだと
ローズヒップで香り付けしたイチゴジャムではなイチゴとローズヒップの
ジャムになりそうです。またローズヒップのコストがかさんでかなり
高額なジャムになってしまいそうです。最後にジャムだけを多めにとって
口にしたところかろうじて花のような香りを感じ取れました。しかし
これでは何かと取り合わせるというのは辛そうです。

次はバニラです。こちらは鼻を近づけると独特な薬臭さがしてきます。
カルダモンも薬臭かったですがあちらは漢方、こちらはもっと西洋というか
昔のお医者さんの診察室の匂いを思わせます。消毒薬(!?)か
何かでしょうか。クラッカーに塗ると目の悪くない人なら点々とたくさんの
バニラビーンズが見えます。瓶のままだと薬臭くても薄塗りにすると
甘い香りに感じられるようです。囓ってみると砂糖の量は変わらなくても
香りのせいで錯覚するのかより甘く感じます。角の無いちょっと不思議な
甘さのジャムです。柔らかい味はイメージ次第で面白い使い方が
できるかもしれません。ただバニラも入れすぎると口に含んだ時に
薬臭さが先に立ってしまうので加減を大切に隠し味程度にしておく方が
良さそうです。

結論としてバニラは加減を間違えなければまあまあ。ローズヒップは
期待したより品の良すぎる素材だったようです。前回の2種もそうでしたが
フレーバーの素材に主張させすぎず強めの隠し味くらいにしておくのが
良いかもしれません。癖が強すぎると好みや使い方に合わないという
人が増えそうです。あくまで基本はイチゴのジャムと考えておくのが
良いでしょう。

なおこの2種のジャムの試作の様子をYouTubeに3本の動画として
アップロードしてあります。関心のある方はご覧下さい。

1.「わたおじさん、とちおとめでイチゴピュレを作る

2.「わたおじさん、ローズヒップを加えたイチゴジャムを作る」

3.「わたおじさん、バニラを加えたイチゴジャムを作る」